オークションストアで落札した商品が故障していた場合の返品方法

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前回記事では、
落札した商品に不具合があっても返品できない場合についてお話ししました。

今回は、返品できる場合について解説します。

1.商品説明に特段の記載がない場合

個人出品物の場合でも、業者(オークションストア)の出品物の場合でも、原則、商品に不具合があれば、返品できます。

2.商品説明に、NCNR(ノークレームノーリターン)などの記載がある場合

個人出品物の場合は、前回記事に書いた通り、原則として返品できません。

ただし、業者の出品物の場合は、返品はできないとしても、損害賠償請求が可能です。

根拠は、消費者契約法にあります:

次に掲げる消費者契約の条項は、無効とする。
(・・省略・・)
消費者契約が有償契約である場合において、当該消費者契約の目的物に隠れた瑕疵があるとき(当該消費者契約が請負契約である場合には、当該消費者契約の仕事の目的物に瑕疵があるとき。次項において同じ。)に、当該瑕疵により消費者に生じた損害を賠償する事業者の責任の全部を免除する条項

(消費者契約法第8条第1項第5号)

つまり、「ノークレーム」という記載は、無効ということです。

ただし、不具合があった場合には代品を送りますとか、修理しますとかいう記載があれば、そのほかの損害賠償請求は受け付けませんという意味で、「ノークレーム」の記載は有効になります。

前項第五号に掲げる条項については、次に掲げる場合に該当するときは、同項の規定は、適用しない。
一  当該消費者契約において、当該消費者契約の目的物に隠れた瑕疵があるときに、当該事業者が瑕疵のない物をもってこれに代える責任又は当該瑕疵を修補する責任を負うこととされている場合
二  当該消費者と当該事業者の委託を受けた他の事業者との間の契約又は当該事業者と他の事業者との間の当該消費者のためにする契約で、当該消費者契約の締結に先立って又はこれと同時に締結されたものにおいて、当該消費者契約の目的物に隠れた瑕疵があるときに、当該他の事業者が、当該瑕疵により当該消費者に生じた損害を賠償する責任の全部若しくは一部を負い、瑕疵のない物をもってこれに代える責任を負い、又は当該瑕疵を修補する責任を負うこととされている場合

(消費者契約法第8条第2項)

つまり、要約すると、

オークションストアが出品している商品を落札したが、
その商品に不具合や、商品説明とは別のものが届いた場合、
購入金額や送料を出品者に請求することができます。

ただし、「ノーリターン」「返品不可」の記載がある場合、
返品は拒否される可能性がありますが、
このような場合は、通常、出品者は、送ったものは返してくださいというでしょう。
このように言われたら、商品は「送られてきた状態のまま」返送する必要があります。

なので、標準的な対応としては、
1.出品者に不具合の状況を写真などで伝え、
2.返品OKであれば、商品には手を付けずに、返送しましょう。
NGであれば、振り込んだ金額の返金を要求しましょう。
3.それでも応じない場合、出品者に適用される利用規約(http://business.ec.yahoo.co.jp/regulation/)を参照し、違反行為があると思ったら、Yahooに利用規約違反を連絡しましょう。
4.(訴訟に至るまでの)最終手段としては、消費生活センター、国民生活センターに問い合わせる方法もあります。