落とし物・忘れ物を警察に届けないのは犯罪?謝礼は?とるべき手続きと注意点

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問題落とし物や忘れ物を拾ったときに、警察に届け出なければならないか?
その場合、謝礼を請求できるか?

回答警察に届け出ない場合、占有離脱物横領罪(場合によっては窃盗罪)が成立する。
よって届け出なければならない。
その場合、謝礼を請求することができる。

 

SHIHO先生の解説

道で落とし物を見つけた場合、あなたならどうしますか?

ハンカチとかキーホルダーなら放っておくかもしれませんが、
財布や定期など高価だったり個人情報が入っている場合は、
そのままにしておくのははばかられますよね。

何より、失敬してしまってもばれないのではないか?という
悪魔の声を聴くのではないでしょうか。

犯罪?

しかし、人の財布を家に置いておくことを想像するとやはり
気持ち悪いものですね。
警察に届け出たほうが、結果的に良いと直感的に思うでしょう。

実際、落とし物を自分のものにしてしまうと、犯罪になります。

これから説明していきますね。


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(遺失物等横領)
第二百五十四条  遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。

刑法254条、遺失物等横領罪とか占有離脱物等横領罪と呼ばれる犯罪です。

もし、持ち主がそんなに遠くにいっていなかったのであれば、もっと重い、

窃盗罪になることもあります 1

とるべき手続きと謝礼

持ち主不明の落とし物を拾ったら、建物の中であれば建物の管理人などに、
外であれば最寄りの交番か警察署に届けましょう。

落とし物を預けたら、書類を書かされて、謝礼を受け取りますか?などと聞かれるはずです。

遺失物法という法律があり、拾った人は、持ち主から謝礼を受け取ることができます。

逆に、持ち主は謝礼を支払わなければなりません。

額は、落とし物の5%~20%の範囲です 2

話を戻して、謝礼を受けとる場合、
警察から氏名や住所を持ち主に教えていいですか?と聞かれますが、
教えたくない場合は教えなくても構いません 3

ただしその場合の謝礼の受け取りは、警察署を介して行うことになるのか、
名前を持ち主に教えないと謝礼を受け取れない運用になっているのかは不明です。
(試した方はよければコメントください。)

警視庁のサイト等も参考にされるとよいでしょう。

注意点

落ちている物を自分のものにすることは犯罪です。

もっとも、現行犯で見つかる場合は少ないでしょうが、
最近はいたるところに防犯カメラがありますので、油断はできません。

自分が犯罪をしていると思いながら、いつかばれるかもしれないと思いながら
生活するのは辛いですよね。

もしばれた場合、警察限りで厳重注意となることもあるかもしれませんが、
警察が悪質と思ったときは、検察庁に送られます。

仮に、ばれたときに警察に逮捕された場合は、検察庁に送られるのが原則です(刑訴法203条)。

警察や検察で犯罪者として取調べを受けるようなことにならないよう、
落とし物は、見つけたら必ず届けるようにしましょう。

Notes:

  1. (窃盗)
    第二百三十五条  他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
  2. (報労金)
    第二十八条  物件(誤って占有した他人の物を除く。)の返還を受ける遺失者は、当該物件の価格(第九条第一項若しくは第二項又は第二十条第一項若しくは第二項の規定により売却された物件にあっては、当該売却による代金の額)の百分の五以上百分の二十以下に相当する額の報労金を拾得者に支払わなければならない。
  3. (返還時の措置)
    第十一条  警察署長は、提出を受けた物件を遺失者に返還するときは、国家公安委員会規則で定めるところにより、その者が当該物件の遺失者であることを確認し、かつ、受領書と引換えに返還しなければならない。
    2  警察署長は、拾得者の同意があるときに限り、遺失者の求めに応じ、拾得者の氏名又は名称及び住所又は所在地(以下「氏名等」という。)を告知することができる。
    3  警察署長は、前項の同意をした拾得者の求めに応じ、遺失者の氏名等を告知することができる。